組み直せないパズルリングと夫婦の形

 
引っ越し時の段ボール箱に埋もれて生活していた頃に、和紙で出来た古い小箱が出てきた。
開けてみると懐かしいキッチュなアクセサリーの数々。二十歳そこらで買ったものだと思う。
 
見つけた時が幸いと、黒ずんだ幾つかのシルバーアクセサリーを重曹でつけ置きした。
 
右側の指輪は、幼馴染と旅行に行った時にフォークロアの店に置いていたパズルリング。
何度か試したりしたのに購入まで至らず、結局違うものを買って店を後にした。

その日のディナーの席で幼馴染が、私に誕生日プレゼントだと小さな包みをくれて、
その中にはこのパズルリングが入っていた。『気に入ったのに買わなかったでしょ』と。
全く予期せぬ出来事で、ずっと一緒に居た彼女がこの指輪を買ったことに私は全く気が付かず。
この指輪を見ると当時の幼馴染と、この日のことをはっきりと思い出す。
多分、贈った当の本人はこのことはすっかり忘れていると思うけれど。
そしてこの後で私は主人と出会った。
この指輪を若い頃はよく着けていて、子育て時期に着けなくなり久しい。

引っ越しの諸々で頭が疲れていたのだろうか、パズルが緩んでいたこの指輪を解いてしまった。
最近はスタイルが変わり着けてみたくなったのに! あーーーっ!なんてことを!
その後半年が過ぎ、テーブルに置きっぱなしにして度々組む努力をしては撃沈している。

ターコイズのお花モチーフの指輪は今も好き。
某セレクトストアのバイヤーさんが、キッチュな指輪をカラフルだけど落ち着いたスタイルに合わせているのが素敵だった。
『このターコイズは今でもいけるかも?』
最近また気まぐれに着けて楽しんでいる。

左側のシルバーネックレスはアメリカで数年前にお手伝いしていたオンラインストアのもので、
入れる文字やフォントをデザインして自分で作ったので、着けることは減った今も愛着がある。
 



週末に初老夫婦揃ってグローセリーショッピングに行く。
たまに買い物前に、閉店時間が早い地元の人気カフェへ二人で行く事もある。
特に会話などはなく、私は読書、主人は大体iPadで何やら探し物をしたりして。
 
前回来た時に気になったシナモンリングなるものをコーヒーの供に頼んだら、
『今日はパニーニサンドじゃないの?』と、主人。
あー、パニーニサンドを半分ずつすることを期待していたのか。ちょっと失敗したなと思う。

今はグローセリーショッピングにバジェットなどはなく、
お互いに何となく食べたい物を少しづつ買うことを細やかだけど贅沢だと感じている。
 
何方かのブログで、夫婦揃ってスーパーで買い物しご主人が支払うのを見て仲良い夫婦だと思うとあった。
私たちは別に特に仲良し夫婦ということはなくて(仲良しの定義は何なのかわからないが)、
実際離れていたこともあるくらい過去に色々とありつつも、関係は何とか今まで続いている。
そんな私達夫婦でも人様から見ると”仲良し夫婦”と見えていたりしてね。
 
今もカチンとくることは少なくない。 こうして一見穏やかに一緒にいる事が不思議なくらい。
ひとつ加えると、私は好きなものを自分で買う自由を得るくらいの責任は持っているか。
こんな小さな自由が心をおおらかにしておける理由かなとも思う。
 
(過去の私の労働よありがとう)
(そろそろ社会活動をせねばですね)
 
夫婦/カップルはそれぞれの形がある。
 

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