ビャンビャン麺
日曜日の昼下がり、一人ビール。
この日はさほど暑くはなかったけれど、常夏の土地ならではビールが最高に美味しい。
この日はちょっと用事で立ち寄る所があったので、以前から気になっていたローカル色の強い飲食店へ行ってみた。
一人だからテーブルは相席かなと思い、一応お姉さんに訊いてみたら、すぐ片付けるから待ってて!と言われ、きちんと四人がけの席へ案内してくれた。
食べたいものは決まっていたので迷わず頼み、飲み物はどうするかと訊かれたのでビールを頼んだ時にお姉さんの手が一瞬止まってちょっと驚いた風だったのは、この国では女一人で来店していきなりビールを頼む人が少ないのかなと思った。
冷え冷えのビール、一気飲みでボトル半分無くなった。(かなり美味しかった)
これこれ、これが食べてみたかったもの。ビャンビャン麺。
随分な太麺は、昔叔母が作ってくれた手打ちの”ほうとう”を思い出した。
叔母の作るほうとうはコシが強く、翌日になっても麺がのびていなくて美味しくたべられたっけ。
この麺もかなりコシが強い。
噛み切り難いのと、麺の端が見えず、取っても取っても端が出てこなくて、食べながら思わず笑いが込み上がってきてしまった。
かなり怪しい客だったのではと思う。(光景を思い出し今もまだ笑いが出てしまう)
温かい麺にきゅうりやトマトの潰したもの、チリ、木耳ひとつ、炒り卵様のもの、そして浅い丼の底には少しのグレイビーが入っている。
熱くもなく、また冷たくもなく、初めて食べるタイプの麺料理。
具材のトマトは東南アジア特有のトマト。
イタリア料理などには向かないタイプで、だけどアジア料理には抜群に合うので理に適った食べ方なんだろう。
逆にこれをケチャップやマリナラソースを作る様な完熟トマトで作るとまた違うと思う。
黒酢、醤油、チリソースがテーブルに置かれているので、この黒酢とチリを入れ混ぜると更に美味しい。
肉入りと肉なしが選べる様になっていて、次回は肉無しでもいいかな。
と言うのも、こちらで食べる肉まんや、こういう感じの麺類に入っている肉がどうもイミテーションぽくて、いまいちそれが苦手だから。
ところで、ビャンビャンという漢字が複雑で、どうやら画数の一番多い漢字らしい。
タイプできるユニコードを探すのが面倒なのでカタカナにしたけれど、店の看板には漢字の他にローマ字で、Byan Byan と表記がしてあった。
この漢字を看板に使えるのだから、やはりこの国の中華色の強さを感じる一面。
当初、こんなローカルなお店に一人で行くのは躊躇われたのに、一度やればもう慣れる。
このお店はかなり気に入ったのでまたふらりと行こうと思う。
遠く一人で住む食べ物に冒険家な長女をいつか連れてきてあげたい。
(Covid-19の収束を祈りながら)